日記2/3

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日記2/3 

 偶然そこにあった分数を借りて書き始めたこの日記も今日で2/3、もう佳境である。何かの体で事を進める。それはあまりにも愉快だ。
 3日坊主なら3日間だけやれというアドバイスを受け入れたくなった。しかし3日間だけやる必然性を与えたかった。私はそうでもしないと1日目はまだしも、2日目で日記を書くためだけにその日を過ごすことになってしまうだろうと睨んでいた。
 もう夕陽が半分以上沈みかけている。夕陽2/3。そんな風景を想像して、スマホの画面に黒い文字を打っていく。
 もし本が黒い紙に白い文字だったら、もし本が白い紙に赤い文字だったら、今、あなたが思う自分にとって大切なあの色が、別の意味で大切な色に変わっていたのかもしれない。逃げて行く意味だとしても掴まえに行けば別の意味だ。
 祖母が作ってくれた切り干し大根。それと食パン(超熟)を朝ごはんに食べた。
 買ってきた野菜や肉を余すことなく使う。これとかこれとか、これもこうすれば美味しいのよ。まな板の端に寄せた具材を指さす姿。それは時代が生んだ家庭料理の心だ。素晴らしいと形容する時の痛み。精神的に余裕を持ちたいという欲求はぜいたくと区別したい。どれだけ貧しくても、どれだけ豊かでも、そんな意味を、それは伝統を信じていることに他ならない。
 “明日でも明後日でも良い。夕陽だけでも見に行こうよ。”
 あの言葉だ。
 夕方、海へ来た。
 制服を着た男女に当たる夕陽がいつもより穏やかに輝こうと頑張っているように見えて笑った。海に向かって全力で石を投げる人がいて、その後に3人も続いた。
 今日も私は海に向かって悲しい顔しか見せていなかったのかもしれない。離れていく潮騒に全力の笑顔を作らされた。リードを振り切るように砂浜を駆けて行く犬で切り取られたさっきの風景が、背中の自由を小さく縁どった。
 人々の到着時刻を曖昧にさせる信号機。青空を高速で横切る鳥に気づかなかった。
 「眠いの?」「まばたきが長いってよく言われるんだよね。」
 コーヒーが飲めるという不動産屋を通り過ぎる。看板だけは何度も見ている。通り過ぎてスマホを確認する。引き返してまた通り過ぎてスマホを確認する。
 もういいだろう。勇気を出して入ってみた。
 私は、また来ます。と、目が不自由な店主に向かってそう言った。内側からあの古風なドアを開けることに成功した、と思った。
 次に来た時にはもう直っていると思いますよ。という彼の言葉を思い出す。どのレコードを持っていこうか、楽しみだ。店の棚にはクラシックが多くあるように見えた。ヴァイオリンの入ったジャズが良いだろうか。東京オリンピック当時のオーディオを今日まで大事に修理し続けていることへ敬意を込めたい。
 あのスーパーマーケットで買ってきた激安のチョコベーグルをかじる。カチカチだ。温めてみたらちょうど良くなったので、今日は夜ご飯の時間を少し遅くすることにした。
 少しだけ薄着を選んだから寒かった。少しだけ勇気を出したから、いや、寒かったからそうなったのだろう。
  海には少しの寒さだけがある。夜になってしまっていても良い。
 早々に踵を返した。しょうがねえなぁ。と言って誰にも話さない予定はご破算になった。結局チェーン店で飲んだブラックコーヒーはやけに甘かった。
 話題がなくなった頃、女は灯台の光にスマホのレンズを向けた。
 電車で寝顔を撮る女が注目の的になっていた。
 今日も日記を書いた。

日記2/3 終わり (残り1/3)

日記1/3

日記1/3

 朝、家から歩いていく範囲で最も遠いスーパーマーケットへ行った。これはいつも通りの意味合いを持たせた散歩だ。幸い、あそこはこの街で一番安い弁当を取り揃えている。
 休憩。最近ハマっている梨ちゃんねるの動画を見る。文芸誌の感想を話しているようだ。これは前に見たものと同じだったかもしれない。手持ち無沙汰になった私はアコギを手に取ってBlackbirdをなんとなく弾いてみる。ポール・マッカートニーの練られた作曲にしても(サラッと書いていた可能性にみな驚かせられるのだ)、Twitterの戯言にしても、青空を横切る燕にしても、物語には大事な鳥がいた。
 コンドルは飛んでいく。かもめが翔んだ日。紙飛行機を投げると、さえずりになる。
 思い返せば、朝、あのスーパーマーケットからの帰り道だ。
 長い時間、空を見上げていた。今日の予定なんてものを考えたくはなかった。そこには、ひこうき雲と青空が逆さになったような、大きな雲を切り分けたような、珍しいひこうき雲があった。その雲には名前があった。消滅飛行機雲と呼ぶらしい。思わず、良い名前だね。と言った。
 私にとって初めて恋という感覚を意識した人間の名前は"まゆ"だった。
 題名が好き、タイトルが好き、ビジュアルが好き、デザインが好き、ジャケットが好き、君の名前が好き。良い名前だね。
 飛行機が、雲を消滅させながら作っていくひこうき雲に、何も覚えていないと、さっきの会話が耳から耳へと流れて行った昨日の朗らかな友人を覚えている。
 夕方の休憩。この日記の題名は夕陽1/3という名前から取った。
 私は音楽のことを強く人間だと思っているのだな、と思わせられることがある。坂口安吾の「ふるさとに寄する讃歌 夢の総量は空気であった」のある部分が、私のそれをよく現していた。昨日のTwitterでのことだ。
 あの曲を歌う4人のアイドルは3/4、もうアイドルではないと思う。違う空を飛んでいった鳥が偶然同じ木の枝に留まって、全く同じ時間にさえずりを響かせることがあるのだろうか。そんな再録をいつまでも願うことができる。同じ曲で新しい録音があるという状況は、新しいものと古いもの、今どちらの君と話したいのか、それを選びに行くことだ。目を開けたままにして口も開けるのか、目を閉じて口も閉じるのか、いつだって問いかけている。
 "全部やりたいことできなくてもこんなキレイに終わりたい" あの曲の歌詞だ。
 私は美しく終わることに執着がないから、だから夜遅くまで眠れずに、興味があることを、やりたいことをやり続けてしまう。今、そんな夜を幸せだと思える境遇を、今だけは幸せだと思うことを許してほしい。もちろん過去の自分に対してだけにそう言っているつもりだ。
 今すぐに太陽が眠ることはないと知っているけれど、眠りに落ちていくと感じる姿を見て美しいと思う。寝ることは美しい。明日でも明後日でも良い。夕陽だけでも見に行こうよ。
 色覚の多様性に言及していたあの動画を思い出して、帰り道はドラッグストアに寄った。そこは一週間ほど前、コミックソングシューゲイザー、レゲエの店内BGM、友人との散歩でこの面白い流れについての考えを共有した場所だった。その時も帰り道だった。ついでに買うものを思い出したからだ。
 あの曲を思い出したのは数ヶ月ぶりだが、あの曲を聴いたのは数年ぶりだった。
 このまま思い出す頻度が減っていくものが増えれば、それはどういうことか。現実を見ろという言葉の隣に、過去を見ろという言葉が並ぶのかもしれない。どちらも嫌な言い方だと思う。
 少しだけ前に、私は今あるノスタルジーをやりつくしたいとツイートしていた。それがどういった感覚の傲慢なのか、どちらの嫌な言い方に重心があるにしても、嫌な言い方だと思ってしまう。
 マザーネイチャーズサン。ありふれているけれど、ママって名前をつけてやる。スピッツめ。いつも良い名前だと思う。母性本能とはこのことか。太陽サンサン、さっきの曲の題名は息子の意味だった。3/5の指を使いアコギを弾くポール。レノンマッカートニーみたいな名前、で覚えたポールアンドジョーというコスメブランド。あれはスリーフィンガーピッキングという。両手を使っている。ライブの観客は多い。太陽は一人だ。沈む夕陽を見る二人は一人だ。また一人になってしまう。そんな時いつも月が顔を出す。Nat King Coleが歌うBlue Moon。お前がオレのキングだ!みんなそう言っている。素晴らしい名前だ。良い天気だと思う。
 帰宅。真っ暗な家に入り、電気を付ける。それはいつも同じ場所にあった。この家にはいくつの照明が、さっきの夜空にはいくつの星があるのだろうか。見えないものを数える。それは目をつぶれば見えているものを数えるだけだ。
 今日も夜は長い。夢を見たい。

日記1/3 終わり (残り2/3)

【アイドル】昔のアルバムと最近のソロ作品をおすすめしてみる。

 昨今の音楽シーンを分析した記事における「ソロアイドル」のテーマに”スターの不在”が目立っています。素晴らしい表現を行う令和のアイドルはたくさんいると信じたファンでも、圧倒的な一人のスター性でお茶の間の話題を共有できない理由もよくわかることでしょう。

 親世代が熱っぽく語る聖子ちゃんや明菜ちゃんに、20代の私が同じくらいのテンションで今を伝えるのならば、最近の素敵なアイドルのソロ作品をおすすめすることくらいしかできないです。

 今日は、私がリアルタイムで聴き、その中でも特に良いと感じたアルバムをおすすめしていきます。まずは好みの前提として、後追いで聴いた好きな昔のアイドル名盤紹介にお付き合いしてくださると嬉しいです。

 

 

昔のアイドル 導入の3枚 昭和晩年から平成初頭

 

ユートピア / 松田聖子 (1983)

 私が一番好きな松田聖子さんのオリジナルアルバムです。ディスコグラフィーの全てを網羅して聴いているわけではないので、90年代以降だったらこれが良いんだよなとか、アルバム未収録曲やベスト盤の好みなど、リアルタイムの方にお聞きしたいことはその辺りです。

 水に浸かっている聖子ちゃんのジャケットを見て、同じようなシーンで雑誌に載った乃木坂46の筒井あやめさんを思い出しました。オリビア・ニュートン・ジョン『Come On Over』に行けることもこの切り口の良いところかもしれないです。

 さて、私が一番好きな松田聖子さんの"曲"は「小麦色のマーメイド」です。

 アイドルと水の相性の良さを語ることも面白そうだなと思っています。

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MARINA / 渡辺満里奈 (1987)

”旧式の赤いワーゲン”(ホリディ・ビジター)

"あの日のタイプライター"(ホワイトラビットからのメッセージ)

"受話器から望遠鏡で ねえのぞいてみてよ"(受話器から望遠鏡)

 歌詞に出てくるアイテムやその表現で昔っぽい良さを感じます。"メール"ですらもう懐かしいワードになってしまった私にとって、これらの単語にはむしろ新しさがあるように思えます。今でいう"レトロブーム"のような空気感はどの世代にもあって、それがすごく好きです。

 でもやっぱり何よりも渡辺満里奈さんの歌声がこのアルバムを繰り返し聴きたいと思わせてくれるんですよね。

 ポップに統一感のある丁寧な編曲が大好きなアルバムです。彼女のようなボーカルを乗せてこそ輝くサウンドだと信じてやまないです。

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MOON / 斉藤由貴 (1990)

 ”アイドルのビジュアルを使っていないジャケットアートワーク”の語り方が起こりそうな、オルタナプログレなどの感覚を好むファンにまずおすすめしたいアルバムです。

 大好きな作品です。あまりの素晴らしさに衝撃を受けました。強固なコンセプトに縛られてしまっている良さがあり、初めて聴いた時は約50分間息が止まっていたような感覚でした。

 朗読がモチーフの作品ということで、真っ先にMaison book girl(2014~2021)のいくつかの曲を思い出しました。「まんげつのよるに」(2019)がおすすめです。

 「月」や「星」をアイドルがこれからどうやって表現していくのか、私はそれがどうしても気になってしょうがないのです。それは光り輝くアイドルを表した時代を問わない存在のひとつであり続けると思うからです。

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アイドルソロ作 おすすめの4枚 平成晩年から令和

 

16歳のアリス / 川上きらら (2020)

 松田聖子松浦亜弥を尊敬するアイドル、川上きららさんのアルバムです。

 彼女はうさぎのみみっく!!というグループに所属しており、この作品はソロ活動としての位置付けです。グループについてはかなり複雑でかつ面白い現状をここでわかりやすく説明できる自信がないので、詳しいファンの方にお任せします。

 まずは「戸惑いのモラトリアム」を聴いてみてほしいです。衝撃を受けてハマってくだされば嬉しいですし、その可能性にかけて、ここでは声についてのわかりやすい情報の共有を避けます。

 この曲がいまいちだとしても諦めません。次の機会があるのならば「Love me tender」をおすすめします。"一番乗りしたビーチで せーので夏へジャンプしよう"というサビの歌詞、本当に素晴らしいです。

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SEVENTEEN / 吉田凜音 (2018)

 2014年からの長い経歴と多彩なプロジェクトに参加し続けている吉田凜音さんをどのように言葉にするかは難しいところです。

 音楽でメジャーデビューをして俳優としても活動を広げつつ、ノーナ・リーヴスクチロロとの関わりでバンドを組み、ラッププロジェクトを落とし込んだソロ作品を発表し、2021年には中国のラッパーコンペティション番組に出演...さて、何を紹介すれば良いのかわからなくなってきますが、私の好きな作品は『SEVENTEEN』です。

 SNSを見て感じることは若者のアイコンとしての真っ直ぐなパワーです。もうとにかくめちゃくちゃ輝いています。ビジュアルがとんでもなく可愛いです。だから聴いてほしいです。それで伝わるかもしれないと願いますし...おすすめの曲は「スキ」です。よろしくお願いします。

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Shining Wonderland / ごいちー (2020)

 何も聞かずにアルバム1曲目の「le Sagittaire」を聴いてほしいです。

 1stアルバムの1曲目、超大事なイントロ、果たして...頭打ちに拘ったドラムとどうしても惹きつけられるボーカルで瞬く間に聴き終えてしまうことでしょう...。

 ごいちーさんの歌声を聴いているとちょっと元気が出てきます。背中を押されるというか見せてくれるというか、そのどちらも寂しがり屋が心を躍らせたくなる柔らかいキュンをたくさん生んでいるのだろうなと感じます。

 現在3枚目までのオリジナルアルバムがリリースされています。ボーカルやミックスの変化に素晴らしいものがあり、その過程を味わっていただきたく1stアルバムを紹介しました。目的をそうは言いましたが、私にとってごいちーさんで最も好きなアルバムです。

 「週末メリーゴーランド」という傑作も用意されています。爽やかで最高になれる曲です。

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うまくいかないおんなのこは / 中道ひびき (2021)

 わたしはアイドルがアイドルの定義や括りにどんな可能性を見出したとしても、誰かにとってのアイドルがアイドルであって良いと思いたいだけなのかもしれないです。

 アイドルの大きな可能性を信じているオタクだから、たとえどんな瞬間でも自分はアイドルだと、アイドルになりたいと、アイドルになりたいかもしれないと思っている誰かにとってのアイドルを知りたいです。

 好きなアルバムです。良かったら聴いてみてください。

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書いている時の気持ち

思い出したいこと

「アイドル論」というと、ともするとアイドル文化を無邪気に称揚してまるごと肯定するようないわゆる「オタク語り」の文章化、もしくは外部の視点からアイドル産業全体を粗雑に否定するような文章のどちらかに陥りかねない。

アイドルについて葛藤しながら考えてみた,香月孝史 上岡磨奈 中村香住,青弓社,2022,p.17

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思い出したこと

君がしあわせならば 僕もしあわせな 気がする

JOYFUL LOVE / 日向坂46,作詞:秋元康,2019

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高橋先輩

 

高橋先輩の軽トラがスーパーマーケットの駐車場に入って、停止した。

 

頼まれたものを買い物袋に入れた高橋先輩の両手にはパック寿司が乗っている。

 

居残りのせいで昼食が遅くなっていたわけだ。

 

珍しく雨が降った。ぐしゃぐしゃの道路を走っていく高橋先輩を見守った。

 

即席の味噌汁を一つ足りないように買って、さっきも見た駐車場の汚い雪景色が開けていく。

 

あの散らかった運転席の隣に座って、「高橋先輩の高ってやっぱりハシゴの方ですか?」と、柄でもないジョークを言えることもあっただろうに。

アイドル楽曲大賞2022の投票コメントを全て読んだので良かったものを共有する インディーズ編

 前回の続きです。

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目次

1153位 前髪がくずれちゃう前に / 1学期の前髪

1153位 雨のフェスティバル / 雨上がりのプラネット

724位 恋と不思議なCHEWINGGUM! / 代々木女子音楽院

475位 ガラスの片想い / アイドルカレッジ

434位 HARE HARE / あっしゅない!

278位 まざらないや / 美味しい曖昧

86位 幸せなんだ / NEO JAPONISM

61位 フィルムリールを回して / airattic

29位 オーロラ / RYUTist

23位 正夢の少女 / かすみ草とステラ

9位 アイドルライフスターターパック / iLiFE!

 

自分の投票はこんな感じでした。(インディーズ)

 

1153位 前髪がくずれちゃう前に / 1学期の前髪

好きになりそうな雰囲気を感じたので聴きましたが最高でした。冒頭の可愛いボーカルに感動しました。ありがとうございました。

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1153位 雨のフェスティバル / 雨上がりのプラネット

北アイルランド?で気になりました。最初から最後までブレずにドリーミーが続いてくれます。展開の少なさを恐れない主張やあざとさが薄く、良かったです。好きです。

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724位 恋と不思議なCHEWINGGUM! / 代々木女子音楽院

全てその通りでした。間違いなく神曲です。もし知っていたら投票候補に考えていた可能性すらあります。最高!

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475位 ガラスの片想い /アイドルカレッジ

想像できない風景です。

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434位 HARE HARE / あっしゅない!

メジャー編でも紹介した方のコメントでした。これめっちゃ良い曲ですね...。サビのメロディが輝いています。

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278位 まざらないや / 美味しい曖昧

聴いたことのある曲です。なんか良かった。コメントをいっぱい読んでいるとこんな短文に癒されたりする瞬間も出てきます。あざと休符のイメージでしたがやっぱりあざとくて良かった。

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86位 幸せなんだ / NEO JAPONISM

曲を聴いてから読むとさらに良いコメントだなと思いました。素敵!

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61位  フィルムリールを回して / airattic

SOVAがあの手のギターサウンドやらなくなったらどうするんだよと本気で思っているので応援しています。私も投票しました。RAYのアルバムを通しでかけてから聴きましょう。良いなァ〜〜〜

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29位 オーロラ / RYUTist

ふわふわで可愛くて好きな曲だったので共感でした。これが雪国サウンドなのかどうなのか、そんなくくりがあるのか。音楽の歴史に詳しい方が書いたアルバムのレビューや感想を読みます。

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23位 正夢の少女 / かすみ草とステラ

わかりやすいまとめだなと思ったので紹介します。ちなみにわたしはオルゴール ver.が大好きなオタクです。

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9位 アイドルライフスターターパック / iLiFE!

音源で聴いてもそこまで面白くない感じが真っ直ぐで良いのに結局ライブで神曲でも音源としてリリースする環境はひとまずまだ保たれていることの確認ができたし、こういう曲がリリースされなくなったら終わりだと思います。TikTokですらもうよくわからないのにこれからどうなるのでしょうか...。オタクとの忘年会で適当に振りコピしながら歌ったらめっちゃ楽しかったです。最高でした。

 

...じゃあ非オタクとのそれで歌えそうかといったら(行かないので想像ですが)臆病なので多分無理。そしてふるっぱーを選択するでしょう。ヤマモトショウさんという最高のアイドルソングを作る方がいて...去年もあれとかそれとか、いやもっと前から、ふぇのたすって知ってる?メジャーデビューしたフィロソフィーのダンス見たことない?インディーズ時代の...。今年も常に正しかったです。だから全部良いからいまさらだけど、オタクやりませんか?投票期間ベストはずーちゃんとの曲だと思っています。2023年も正しく、クリームソーダなどを飲みに喫茶店へ行きましょう。お疲れ様でした。

 

コメント引用元サイト

www.esrp2.jp

 

アルバム編に続く

アイドル楽曲大賞2022の投票コメントを全て読んだので良かったものを共有する メジャー編 (坂道多め)

 今年も一月は楽曲大賞の投票コメントを読んでいます。アイドルソングに対する熱っぽい盛り上がりを共有できる楽しい空間がこの企画のコメント欄ですよね。

 ここでは、メジャーアイドル楽曲部門の投票コメントを全て読んだ私が良いなと感じたコメントをさらに共有していきます。順位が低い楽曲を特に聴いてほしいので下位からの紹介です。

 

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目次

694位 どうしようもないこと / NGT48

542位 ラジオ体操第1 広島編 / 甲斐心愛 (STU48)

382位 ツラみ / chuLa

293位 トゥインクル・ディバディ・ドゥ / 26時のマスカレイド

226位 プロローグ / Ange☆Reve

168位 ジャンピングジョーカーフラッシュ / 乃木坂46

118位 ゴーフルと君 / 日向坂46

93位 微笑ノ国 / FES☆TIVE

74位 アンビバレンス / PiXMiX

58位 君とサイダー / なんキニ!

52位 さよならタイガー / 虹のコンキスタドール

29位 摩擦係数 / 櫻坂46

27位 僕なんか / 日向坂46

10位 ハッピーエンドとそれから / 私立恵比寿中学

8位 マッシュ・ド・アート / わーすた

 

 

自分の投票はこんな感じでした。(メジャー)

 

 

694位 どうしようもないこと / NGT48

改めて、そうだよね。地方アイドルって良いよね〜と思いました。

色々あっても人間の生活をやっていく中からこうやって聴き始めるオタクはいるし、地元や好きな街を大切にすることについて考えました。

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542位 ラジオ体操第1 広島編 / 甲斐心愛 (STU48)

企画盤の紹介コメントです。坂道ファンとして今年の日向坂-STUの関係性をチェックしていましたが、これは知りませんでした。ありがたいです。素晴らしい歌声でした。

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382位 ツラみ / chuLa

エポックメイキングなフレーズとその前後の流れが気になり、さっそく楽曲を聴いてみました。確かにこの部分面白いです。TikTokからの流行音楽を聴いていくにあたり、音や詞がどのように切り取られているのかを見ていく必要はありそうです。

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293位 トゥインクル・ディバディ・ドゥ / 26時のマスカレイド

どこの層に届けたいのか不安定なアイドルソングという印象で一度だけ聴いていたこの曲ですが、熱心に好きでいたであろうオタクから、今更でもMVをチェックしてみようと思わせてくれました。

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226位 プロローグ / Ange☆Reve

聴いたこともない曲なのに、そ、そうですよねと頷いてしまうような、ちょっと前の楽曲派オタクコメントが思い浮かびました。私はこうされると、今すぐ聴いて確かめます!となります。綺麗な2サビレスでした。

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168位 ジャンピングジョーカーフラッシュ / 乃木坂46

この曲に対して言いたいことがいい感じに3人のコメントで表現されていました。MVめっちゃ可愛い坂オタ以外にカップリングを広めるにはI see…クラスのコトがないといけない結局4期曲なのか良かったです。

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118位 ゴーフルと君 / 日向坂46

最近、日向坂の新メンバー4期生が登場しているひなあいをまとめて見返していました。その時の感情は、はしゃぐお姉さん3期生が異常に可愛い…で、3期曲の曲調に重ね合わせてしまいます。テーマパーク感は夏ジャムもそうですし、メンバーのこと、作曲のこと、康のこと、3つのコメントに連続で共感しました。

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93位 微笑ノ国 / FES☆TIVE

シタールの音が入っているアイドルソングを探しているときに聴いていたフェスティブの新曲で、なるほどまた違った面白がり方もあるよなと思いました。面白さがわかったと発表しているところが良いです。

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74位 アンビバレンス / PiXMiX

騙されたと思ってもう一度アンビバレンスを聴きました。リーダーの歌唱パートがどこなのかを調べてみよう

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58位 君とサイダー / なんキニ!

韻の良さコメント3連続です。これは私も聴いていて同感でした。

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52位 さよならタイガー / 虹のコンキスタドール

面白いテーマと楽しい音と社会派スパイスでネコちゃんになる気持ち、よくわかります。好きなコメントです。

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29位 摩擦係数 / 櫻坂46

生誕披露のカバー曲で選ばれる櫻坂の情報を知られて良かったです。ナイス。

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27位 僕なんか / 日向坂46

そうなんですよねこの表題には、~が良い。~だけれど。のようなコメントが似合います。逆でもいいと思いますが、なんかちょっと最後にしょーもない希望があり、スパッと終わるのもそういうことなんすかねそれにしても感傷オタクには過剰に湿っぽいピアノアウトロが欲しかったです。わかる。

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10位 ハッピーエンドとそれから / 私立恵比寿中学

そうしなければならない時があることを受け入れていても、私はやっぱり過去を投げやりにしないで、むしろ優しい思い出に救われながら生きていくしかないと思っていまして、それはひとまずハッピーエンドという区切りを作ることに意味があると信じているからです。良い曲だと思います。

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8位 マッシュ・ド・アート / わーすた

自分自身も振り回される中に何かを見出しながらオタクをやってきているので、そこへの異常な快楽が好きな音楽にも反映されています。大好きな曲です。MVが可愛すぎてめちゃくちゃな回数見ました。

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コメント引用元サイト

www.esrp2.jp

 

 

インディーズ編に続く 

さんぽれぽーと

元日に親戚が亡くなった。

新年の雰囲気を楽しむようなことが許されない空気に、葬式は生き残った者のためにあるという力強い言い分を信じることができなかった。

そんな自分への罪悪感があり、どれだけ悲しくて泣いていても、もっと長く生きていてほしかった、より、長い間本当にお疲れ様でした。と心から思っていた。

今は薄情だと思われても良くて、それは自殺まであと2歩くらいの時の私だってたぶんそう言ってくれると思っているからだ。

なんとか葬式を終え、私は散歩に出かけた。

最初の目的地は図書館で、フィッツジェラルドグレート・ギャツビーを借りた。

数日前、私はフィッツジェラルドceroの順番でMy Lost Cityにハマった人と出会っていた。私とは逆順。あの人にはどんな風景が見えているのかとても気になり、感動した。

フィッツジェラルドの話になると、彼はグレート・ギャツビーをおすすめしてくれた。人生で最もおすすめしたい本だと、笑っちゃうくらい強い主張が好きだったし、私も、明日借りてすぐ読みますと強いレシーブを返した。(明日ではなかったけれど)

警報音が鳴り始め、踏切で立ち止まり、遮断機が降りて電車の通過を待っている。

逆再生の警報音で人々が立ち止まる風景を想像して、誰かが流行歌に取り入れたのかな?と思った。

いつも通りの真っ暗な海を期待して海まで行った。(いつも通りでも振り返れば色々な光がある)

砂浜へと続く道には4人組がいて、大きなリュックサックを背負った人、コンビニのレジ袋を持っている人、手を繋いでいる2人という内訳だった。

その時、リスナーの私のイヤホンからはフォーレのピアノ作品集が聞こえていた。すると選曲家の私が、ちょうど良さそうな音楽をかけてやろうと、ブースの下のリュックサックから7インチのレコードを取り出してケースに忍ばせた。

もちろん1月の夜の海は寒くて、いつも通り砂浜にも誰もいないだろうなと思っていたけれど、結局そこには私以外に7人も先客がいて、(海に客って言葉を使うなんてどうも嫌な感じだ)、海岸中央にいた2人組は肩を組み合い、この人たちはこの寒さを期待してここに来たのだろうか?と、そうじゃないにしても、ここに来てよかったと思わないにしても、また思い出したようにここへやってくることがあればいいなと思った。

私が認めた7人のうち、最後の1人は遠くで焚き火をやっていた。

サブスクで音楽を聴いていると、その状況には通常のしりとりを大人がやっているような終わらなさがあり、ただただ飽きを待つことになってしまう。もうそろそろやめよっかと言ってくれる人の大切さを感じながら1人で砂浜を歩いた。

しりとりで言えばンジャメナみたく、んで始まる音楽はそれよりずっと多いというか、終わらねえよ...という感情で完成した音楽が、人生の""という終わりの状況から続きを見せてくれることがある。

4人の女の子の会話が聞こえてきた時、さっきの選曲家はtipToe.のないしょとーくをプレイしていたし、さっきの私はイヤホンを着けて歩いていたので当然その会話は全て妄想だった。

今日の散歩で最もフォーレに見せたいと思った風景はここだ。

3年くらい前の曲なのにもう、懐かしいな、と思いながら、それから1時間くらい街を歩いて、家に着くまでおもいでしりとりという曲名が耳から離れなかった。