高橋先輩

 

高橋先輩の軽トラがスーパーマーケットの駐車場に入って、停止した。

 

頼まれたものを買い物袋に入れた高橋先輩の両手にはパック寿司が乗っている。

 

居残りのせいで昼食が遅くなっていたわけだ。

 

珍しく雨が降った。ぐしゃぐしゃの道路を走っていく高橋先輩を見守った。

 

即席の味噌汁を一つ足りないように買って、さっきも見た駐車場の汚い雪景色が開けていく。

 

あの散らかった運転席の隣に座って、「高橋先輩の高ってやっぱりハシゴの方ですか?」と、柄でもないジョークを言えることもあっただろうに。