【アイドル】昔のアルバムと最近のソロ作品をおすすめしてみる。

 昨今の音楽シーンを分析した記事における「ソロアイドル」のテーマに”スターの不在”が目立っています。素晴らしい表現を行う令和のアイドルはたくさんいると信じたファンでも、圧倒的な一人のスター性でお茶の間の話題を共有できない理由もよくわかることでしょう。

 親世代が熱っぽく語る聖子ちゃんや明菜ちゃんに、20代の私が同じくらいのテンションで今を伝えるのならば、最近の素敵なアイドルのソロ作品をおすすめすることくらいしかできないです。

 今日は、私がリアルタイムで聴き、その中でも特に良いと感じたアルバムをおすすめしていきます。まずは好みの前提として、後追いで聴いた好きな昔のアイドル名盤紹介にお付き合いしてくださると嬉しいです。

 

 

昔のアイドル 導入の3枚 昭和晩年から平成初頭

 

ユートピア / 松田聖子 (1983)

 私が一番好きな松田聖子さんのオリジナルアルバムです。ディスコグラフィーの全てを網羅して聴いているわけではないので、90年代以降だったらこれが良いんだよなとか、アルバム未収録曲やベスト盤の好みなど、リアルタイムの方にお聞きしたいことはその辺りです。

 水に浸かっている聖子ちゃんのジャケットを見て、同じようなシーンで雑誌に載った乃木坂46の筒井あやめさんを思い出しました。オリビア・ニュートン・ジョン『Come On Over』に行けることもこの切り口の良いところかもしれないです。

 さて、私が一番好きな松田聖子さんの"曲"は「小麦色のマーメイド」です。

 アイドルと水の相性の良さを語ることも面白そうだなと思っています。

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MARINA / 渡辺満里奈 (1987)

”旧式の赤いワーゲン”(ホリディ・ビジター)

"あの日のタイプライター"(ホワイトラビットからのメッセージ)

"受話器から望遠鏡で ねえのぞいてみてよ"(受話器から望遠鏡)

 歌詞に出てくるアイテムやその表現で昔っぽい良さを感じます。"メール"ですらもう懐かしいワードになってしまった私にとって、これらの単語にはむしろ新しさがあるように思えます。今でいう"レトロブーム"のような空気感はどの世代にもあって、それがすごく好きです。

 でもやっぱり何よりも渡辺満里奈さんの歌声がこのアルバムを繰り返し聴きたいと思わせてくれるんですよね。

 ポップに統一感のある丁寧な編曲が大好きなアルバムです。彼女のようなボーカルを乗せてこそ輝くサウンドだと信じてやまないです。

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MOON / 斉藤由貴 (1990)

 ”アイドルのビジュアルを使っていないジャケットアートワーク”の語り方が起こりそうな、オルタナプログレなどの感覚を好むファンにまずおすすめしたいアルバムです。

 大好きな作品です。あまりの素晴らしさに衝撃を受けました。強固なコンセプトに縛られてしまっている良さがあり、初めて聴いた時は約50分間息が止まっていたような感覚でした。

 朗読がモチーフの作品ということで、真っ先にMaison book girl(2014~2021)のいくつかの曲を思い出しました。「まんげつのよるに」(2019)がおすすめです。

 「月」や「星」をアイドルがこれからどうやって表現していくのか、私はそれがどうしても気になってしょうがないのです。それは光り輝くアイドルを表した時代を問わない存在のひとつであり続けると思うからです。

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アイドルソロ作 おすすめの4枚 平成晩年から令和

 

16歳のアリス / 川上きらら (2020)

 松田聖子松浦亜弥を尊敬するアイドル、川上きららさんのアルバムです。

 彼女はうさぎのみみっく!!というグループに所属しており、この作品はソロ活動としての位置付けです。グループについてはかなり複雑でかつ面白い現状をここでわかりやすく説明できる自信がないので、詳しいファンの方にお任せします。

 まずは「戸惑いのモラトリアム」を聴いてみてほしいです。衝撃を受けてハマってくだされば嬉しいですし、その可能性にかけて、ここでは声についてのわかりやすい情報の共有を避けます。

 この曲がいまいちだとしても諦めません。次の機会があるのならば「Love me tender」をおすすめします。"一番乗りしたビーチで せーので夏へジャンプしよう"というサビの歌詞、本当に素晴らしいです。

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SEVENTEEN / 吉田凜音 (2018)

 2014年からの長い経歴と多彩なプロジェクトに参加し続けている吉田凜音さんをどのように言葉にするかは難しいところです。

 音楽でメジャーデビューをして俳優としても活動を広げつつ、ノーナ・リーヴスクチロロとの関わりでバンドを組み、ラッププロジェクトを落とし込んだソロ作品を発表し、2021年には中国のラッパーコンペティション番組に出演...さて、何を紹介すれば良いのかわからなくなってきますが、私の好きな作品は『SEVENTEEN』です。

 SNSを見て感じることは若者のアイコンとしての真っ直ぐなパワーです。もうとにかくめちゃくちゃ輝いています。ビジュアルがとんでもなく可愛いです。だから聴いてほしいです。それで伝わるかもしれないと願いますし...おすすめの曲は「スキ」です。よろしくお願いします。

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Shining Wonderland / ごいちー (2020)

 何も聞かずにアルバム1曲目の「le Sagittaire」を聴いてほしいです。

 1stアルバムの1曲目、超大事なイントロ、果たして...頭打ちに拘ったドラムとどうしても惹きつけられるボーカルで瞬く間に聴き終えてしまうことでしょう...。

 ごいちーさんの歌声を聴いているとちょっと元気が出てきます。背中を押されるというか見せてくれるというか、そのどちらも寂しがり屋が心を躍らせたくなる柔らかいキュンをたくさん生んでいるのだろうなと感じます。

 現在3枚目までのオリジナルアルバムがリリースされています。ボーカルやミックスの変化に素晴らしいものがあり、その過程を味わっていただきたく1stアルバムを紹介しました。目的をそうは言いましたが、私にとってごいちーさんで最も好きなアルバムです。

 「週末メリーゴーランド」という傑作も用意されています。爽やかで最高になれる曲です。

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うまくいかないおんなのこは / 中道ひびき (2021)

 わたしはアイドルがアイドルの定義や括りにどんな可能性を見出したとしても、誰かにとってのアイドルがアイドルであって良いと思いたいだけなのかもしれないです。

 アイドルの大きな可能性を信じているオタクだから、たとえどんな瞬間でも自分はアイドルだと、アイドルになりたいと、アイドルになりたいかもしれないと思っている誰かにとってのアイドルを知りたいです。

 好きなアルバムです。良かったら聴いてみてください。

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書いている時の気持ち

思い出したいこと

「アイドル論」というと、ともするとアイドル文化を無邪気に称揚してまるごと肯定するようないわゆる「オタク語り」の文章化、もしくは外部の視点からアイドル産業全体を粗雑に否定するような文章のどちらかに陥りかねない。

アイドルについて葛藤しながら考えてみた,香月孝史 上岡磨奈 中村香住,青弓社,2022,p.17

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思い出したこと

君がしあわせならば 僕もしあわせな 気がする

JOYFUL LOVE / 日向坂46,作詞:秋元康,2019

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