Follow You Follow Me Follow Sea Follow Music

134号線を自転車で走っていると、真夏の立ち漕ぎは、バカンスを眺める青空に少しだけ近づくような気がした。

江ノ島はいつもすぐそこに見えていたけれど、絶景までは思ったより遠かった。

でも、渋滞している車道の横を駆け抜けていけば音楽の疾走感にも追いつけられる気がした。

自動車だって自転車だって徒歩だって、みんな南側の海を、相模湾を眺めていた。珊瑚礁や鎌倉高校だってそうだから、目が合うことはあるだろう。

ママチャリのカゴにはスピーカーが付いたウォークマンを乗せていた。リュックサックとかタオルとかペットボトルとか、位置がうまいこと決まっている。

そんな時は、高中正義の「BLUE LAGOON」こそ、この青い風景に最も相応しいと思っていた。

現代のアイドルソングをリアルタイムで追いかけている私はSANDAL TELEPHONEの「Follow You Follow Me」を聴いて思わず目をつぶった。

ギターソロには青空も江ノ島も、134号線から見た風景があった。砂浜で靴を脱ぎ捨てて走り出す人は注目の的だった。

Twitterでアイドルを見ているいつも通りになった日常から思い出す風景にぴったりな曲でもあった。

それでも私はただ、江ノ島の岩から、茜色が消えていく夕暮れを眺めていたばっかりだった。

 

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