「孤独とタイヨウ」の話。少しだけ『透明ドロップ ミュージックアワード 2023』の感想。

 僕は透色ドロップ「孤独とタイヨウ」という曲が好きで、この時から聴いていました。

“イントロ3ループ目の6度転調からスケールをなぞるピアノ(DEF♯GA)が大サビ後のコーラス部ボーカルメロ(降りそそぐ,いつまでも)で一語一音で繰り返されたら、アウトロとその全音転調ではメインになってイントロやサビのFGAG~を食って裏テーマで終わるの綺麗すぎだろ...透色の孤独とタイヨウの話です…” (自分のツイート)

 理論とか音色とか、フレーズとかテーマとか、そうやって言えることはたくさんあっても、照れ隠しの御託だなと今では思います。機会があり、今年の3月から透色ドロップをライブで見始めました。瀬川奏音さんはこんなことを発信していました。

“孤独とタイヨウはね、この曲を一番表現できるのは私だ、一番理解してるのは私だって気持ちでやってる  気にしぃで前に出るの苦手で営業できなくてアイドル向いてないかもだけど、捨てたかった人生も誰かの役に立てるなら、こんな私だから救える人がいるなら表現者になりたいって思ったから” (瀬川奏音さんのツイート)

 例外はたくさんあれど、アイドルの音楽は歌唱者が作編曲を手がけることを稀と言って良いでしょう。作られたもの背負っているというか、それを自分なりに解釈して届けているというか、そういった役割の素晴らしさを強く感じるからこそ、歌われることに価値があると思っています。

 セガワさんの熱血ツイを本気なんだと思えた理由は、僕だってこの曲が大好きなんだという烏滸がましくも同じくらいの大切さを感じているからに他ならず、今回の『ミュージックアワード』の投票コメントに自分が伝えたい言葉を密かに込めてみました。

“引越しの日の朝に聴きました。

ここに置いていかなければ進めないと思う感情があり、カーテンの隙間から刺すあの西日を、これからはもう見ることのない未来として思い出します。

誰かが残した”限りない温もり”に、僕は、孤独と太陽の間に存在する不思議な関係性を静かに感じています。

それはオタクとアイドルでもあり、太陽こそ孤独に輝き、また、孤独も太陽のように輝いているのだと、そう信じさせてくれた音楽こそ「孤独とタイヨウ」です。ありがとう。

行ってきますと、あの時そう言えて良かったです。” (「孤独とタイヨウ」への投票コメント)

“孤独とタイヨウの投票コメントで尽くせる限りのポエジーを込めたらステージで読み上げられてしまった....年ベスの恥ずかしさと嬉しさとで爆発するかと思いました….” (自分のツイート)

 家族でも友達でもSNSの言葉でもない応援がほしくて、そうじゃない関係性のひとつが音楽にしても、さらに特典会で会ったこともライブで見たこともない誰かが歌として遠くから、どれだけ狭いライブハウスからでも伝えようとしてくれている気持ちの音楽に背中を押されたかった。「孤独とタイヨウ」を聴いた引越しの日の朝に、家のドアをガッチャっと押して青空が見えた時に、今日だってこの家の中に夕陽がさしこむのだろうな、僕も違う場所からでもその夕陽を見ているはずなのに、あの部屋だけは空っぽで、それが寂しいのか、むしろ自分がいない分、ここにはまた寂しさとは違った静寂があり、続いていくのだろうという孤独への賛美がありました。

 セガワさんは”オフィス街で行われるライブ”について先日のショールームで、自分に似合わない街が息苦しいんだろうなと翌日を憂鬱に語っていました。友人がスーツを着て働く中、彼女はアイドルで自立していて(インスタのストーリーにこれでも結構頑張っているよって書いてあった)、その、少し落ち着きながら身に染みているような姿に、僕は、そうだよなと、あの歌を、目の前のステージから聞こえる歌声で噛み締めました。

 最後に、今回のライブにおける全メンバーの好きなところや印象的だったことを書いてこの文章は終わりです。

 

花咲りんかさん

 MCでのリアクションが好き。オタクの可愛い〜という反応、甘やかしパワーでよりいっそう可愛らしく輝くりんかさんのダンスになった瞬間のストイックさ、力を入れる部分のわかりやすさ、伝わりやすさ、がどこにもブレずにまっすぐ届いているんだろうという感覚でした。

 

佐倉なぎさん

 罰ゲームでのセリフ後の長い沈黙。現場では体感15秒くらいあったと誇張しておきたいくらい。謎の自信と期待感が好き。あとこまかいレス。会話が大好きな人だ...と思いました。投票コメントを読んでくれてホントにありがとうございました。

 

見並里穂さん

 「ぐるぐるカタツムリ」のありがたみを語った姿が好きです。こういうところでしかできないから。アイドルだから。という発言。アイドルでやりたいこと、まだまだたくさんあるんだろうなと思った。それらを形にしてくれそうという圧倒的なバチバチのMCサポート。素晴らしすぎる…

 

梅野心春さん

 これは特典会で話したことがあって、いつもダンスが凄まじく良い。超しなやかで、角がなく、ユルさに振り切りはしない意識?からの厳しさがあるように思える。最近好きな曲で迷わず1曲を即レスしていたところ、カッコよかった。次会ったらブクガの話をしたい(インスタで聴いてるって言ってた)

 

天川美空さん

 ダイナミックに見えた。広い意味でもこの子がいるだけでステージの可愛さの大きさ(枠)を決めているんだろうな〜という感じだった。ツインテールや前髪ぱっつんなどのスタイル、身長や発言のギャップがうまく作用しているような。めっちゃ面白い子だ〜と思う。

 

瀬川奏音さん

 誕生日のあれ見たよとか、コメントのあれまあそうだよねとか、特典会でリアクションがもらえて嬉しかった。昨今は様々な芸術で、感情のないAIが作っているのではと言われることもありますが、僕はやっぱり歌っているセガワさんが絶対にそこにいてくれていることへ好きだと言いたい、と思った。