fourthBaton. / tipToe.

タイトル:fourthBaton.

アーティスト:tipToe.

リリース:2021.02.17

 

ポイント:

tipToe.4枚目のシングル

2期としては1枚目のシングル

 

open.spotify.com

 

1.春の風速、帳が揺れて

さわやかではあるが桜や梅の香りをくぐらせたようなほんの少しだけ重い肌触りも感じる疾走感と芳香感のギターポップ

リリース当時はあまり刺さらず、ここまでハマリ続けていたtipの曲もそろそろ...と思っていたが、リリースの次の年の冬から春にかけての季節と一緒に耳に馴染み、今では大好きな曲。

このシングルの表題はこれでしょう。強い曲という認識。

かなりエモーショナルに歌い上げているボーカルディレクションのねらいをまっすぐ受け取りたい。

 

2.踏切ドリーミング

tipクラシックメソッド(といえば瀬名航メソッド)を軽めになぞった安定楽曲。

"誰にも嫌われませんように"という歌詞はtipToe.のプロジェクトにおいて大切な精神性を表していると思う。ここがみんなと仲良くしたいとかそういうテイストだったら何か違うという気持ちになりそう。悪くいえばイメージの押し付けでしかないのだが、私はそう思っている。

"少し頑張ってみようかな 気が向いたら"部分のマイナスを作るフレーズがとてもtipらしいサウンドで好き。

Aメロで終わる構成と新しいことが始まるというニュアンスの歌詞の相性は間違いない。

 

3.紙飛行機の行方

冒頭エレキのアルペジオが印象的なカップリングとしての良い立ち位置を持つ曲。

カップリングとはいえサビ始まりにある程度の力はある。

サビのメロディは1曲目のはるとばと、曲のイメージは2曲目の踏切と、ぼんやりとペアになっているような感じ。

瀬名曲としてはフックの少なさで地味めかもしれない。

定番の浮遊感を出しアウトロを締めたのは曲名からの解釈一致、紙飛行機はしっかり飛んでいったといったところか。

 

4.ホワイトピース

tipToe.というプロジェクトクラシックこと夢日和とのマッチングが考えられた2期のテーマソング。

この曲を聴いてtipは曲名がすごく良いなと再認識。楽曲の展開と歌詞と曲名のインタープレイが素晴らしい。

どの曲名も気取っていないし気をてらってもいない。

強いていえば配信限定のクロックワーク・スパークルくらいですかね。若干の違和感。ただそもそもこの曲はほかの曲と性格が違う気もする。

Bメロの一瞬だけエレピを前に出す感じとかは好きでしかないし、こういうのをずっと聴いてきたんだよという気持ちに。

 

総評:

tip2期のはじまりにふさわしい4曲だと思った。

当時1期よりも人数が少なく楽曲のテイスト的にもパワーが若干足りない感じはある。

ただそこで無理くり世界観から逸れたクセのある楽曲をぶちこむようなグループではないことも知っているので、これからもじっくりゆっくり見ていきたいことを確かめられるシングルだった。

ところで2期も夜盤を出すのでしょうか。どうなんでしょうか。

フルアルバムのリリースも決まったようで、その新曲も楽しみだ。